2019-12-23
台湾で初めて自然と文化、そして科学技術が融合したインダストリアル・パークである沙崙智慧緑能科学城(Shalun Smart Green Energy Science City, SGESC)が今月16日、陳建仁副総統、行政院(内閣)の陳其邁副院長(副首相)ら立会いの下で運営を開始。台湾におけるグリーンエネルギー技術が新たな段階に足を踏み入れるマイルストーンとなった。
沙崙智慧緑能科学城は台湾南部の台南市を台湾の新たな時代におけるテクノロジーの要衝へと成長させ、さらには台湾をアジアにおけるハイテクの研究開発センターへと進化させる責務を担う。同科学城は、周辺に位置する複数のサイエンスパークや工業団地とつながってグリーンエネルギーに関するイノベーション産業のエコシステムを形成、それにより「緑金」クラスターが整備されるものと期待される。「緑金」とはグリーン産業の価値を示す。
行政院の陳其邁副院長は、スマート機器及びグリーンエネルギーは政府が「5+2」産業イノベーション計画で成長を目指す非常に重要な産業だとした上で、経済部(日本の経産省に相当)、科技部(日本の省レベル)、国家発展委員会(同左)及び台南市などが2年間に及ぶ努力の末、力を合わせて沙崙智慧緑能科学城を実現したことに感謝。今後は同科学城が台湾南部全体でのハイテク産業やスマートな応用サービスに関する産業の発展をスピーディーに牽引することに期待した。
沙崙智慧緑能科学城の核心となるエリアには「緑能科技聯合研究中心」(グリーンエネルギー技術合同研究センター)と「緑能科技示範場域」(グリーンエネルギー技術モデルスペース)が設けられている。こうした設計は将来を展望したグリーンエネルギー技術の研究と開発のためのパワーを増強でき、ニーズから生まれるイノベーションが産業全体のより活発な発展を促すことになる。
陳副院長は、工業技術研究院(ITRI)、中央研究院、国家実験研究院なども加わって同科学城はアジアの全ての国で研究開発力が最も集中する場所になると強調、将来は国立成功大学ならびに長栄大学という地元(台南市)の大学とも結びついていくと説明した。そして陳副院長は、アクセス面で非常に便利なほか、極めて豊かな文化を持つ台南市にこうした研究開発技術とパワーが集中するわけであり、今後はハイテク研究のトップランナーであるチームや人材が集まることになろうと期待した。
今後のビジネスや入居者の誘致は台湾北部・新北市林口区の林口新創園(StartupTerrace)における成功経験を参考とする。沙崙智慧緑能科学城のD区、F区、X区にアクセラレーターとインキュベーター、大型の多国籍企業や業界指導者の先進的な研究グループなどを入居させる。ここでスタートアップ事業を受け入れることで、科学城外部のより大きなイノベーションのパワーがグリーンエネルギー産業やスマート応用サービス関連のスタートアップ企業と共に地域で発展し、「北林口、南沙崙」(スタートアップ企業が密集する地域は北部では林口、南部では沙崙)と呼ばれるような台湾の「緑金」クラスター誕生を目指す。
陳其邁副院長によると、半導体ファウンドリ世界最大手のTMSC(台湾積体電路製造)が1兆2,000億台湾元(約4兆3,000億日本円)を投じて建設する製造プロセス5ナノメールと3ナノメートルの工場やWinbond Electoronics(華邦電子)、台湾南部・高雄市のASE Group(日月光集団)によるパッケージング工場、米国のマイクロン・テクノロジなどの施設も沙崙智慧緑能科学城の近くにある。陳副院長はこのため、同科学城がインキュベーターやアクセラレーターの役目を果たし、台湾南部全体のハイテク産業をスピーディーに発展させるよう大いに期待した。
Sources:Taiwan Today;2019年12月23日
資料來源: 行政院新聞広報処
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