2024-01-31
無人機(ドローン)を産業へ応用することに対して徐々にマーケットの注目が集まっています。無人機を様々な形で利用して問題を解決するという方法はすでに少しづつマーケットに受け入れられており、これが無人機サービスの販売市場を速いスピードで成長させています。同時に、ロシア・ウクライナ戦争の影響から、多くの国と企業が無人機技術の研究開発への資源投入を加速し、グローバルな無人機市場の新たな成長を促進しています。
無人機のビジネスチャンスは速いペースで成長していますが、企業の中にはすでに次の成長機会を探し始めたところもあります。視線を複数機の連携や無人交通手段にまたがるタイアップに移し、シングルサービスユニットの規模拡大あるいは他の無人交通手段の優位性と組み合わせることで、より多岐にわたるサービスアプリケーションを提供することを望んでいます。
この十年、無人機の技術と応用はハイスピードで発展し、多くの産業の注目を浴びてきました。ロシア・ウクライナ戦争勃発後は、多数の国や企業がこの分野への資金投入をさらに加速しました。無人機技術の趨勢も、1機の運用から複数機の連携運用、あるいは交通手段間にまたがる応用発展へと移り、無人機間のコラボ関係、無人機と陸上無人車輛あるいは無人船との連携応用が構築され、無人機産業の次の成長エネルギーになっています。
無人機の連携を各種情況に応用することにより、空間を超えたサービスソリューションを提供し、各種無人交通手段の産業効率を高め、無人機・無人車および水上・水中の無人乗り物産業に次なる発展成長の機会を用意することができます。
特許申請の傾向から産業の技術発展と市場ニーズに対する風向きを見ることができます。ドローン群やドローン、他の無人交通手段との連携といったキーワードで特許を検索しますと、さまざまな連携の組み合わせの中で、無人機同士の連携に焦点を合わせた特許件数が最も多くなっています。これは業界が無人機を主に連携モデルで発展させていこうとする意欲が高いことを示しています。二番目に多いのは、ドローンと地上の無人車両の協力的な組み合わせです。 現在、無人機の水上および水中での連携に関する特許出願件数は比較的少なく、その潜在的な要因としては、技術的なハードルが割合高いこと、あるいはビジネスチャンスの将来性がまだ不明確であることが考えられます。以下では、アマゾン・テクノロジーズ株式会社が申請した産業特許を例に取り上げます。
アマゾン・テクノロジーズ(Amazon Technologies)
同社はアマゾン旗下の技術研究組織です。特許技術の主な方向性はドローン群と地上無人車両の連携であり、それを応用する分野は物流が中心です。同社が2019年12月に取得した特許「商品配送用の協調自律型航空機および地上車両(Cooperative autonomous aerial and ground vehicles for item delivery)」を例として説明します。
無人機連携アプリケーションは、空港、航空機検査、農業への応用、風力発電機や橋梁の検査、都市建設現場でのコラボなど徐々に産業に導入され、使用され始めています。以下では産業界ですでに応用されている事例を簡単に説明します。
基本的に無人機が空港の内部や上空を飛行することは禁止されていますが、空港や航空機の検査を支援する手段として無人機を利用することもできます。 伝統的には、空港の滑走路検査は担当者が車を運転し目視することによって行われてきましたし、航空機の外観検査もまた担当者による目視検査です。しかし、人間が行う検査には潜在的なリスク問題があり、視力、時間、精神状態などが原因となってミスが発生する可能性があります。精密な光学検査設備を搭載した無人機であれば人間が行う検査が持つ欠点を適時補うことができます。大韓航空は2021年12月に無人機による航空機の外観検査を開始、同時に4機の無人機を使って機体の各部分を検査することで検査速度と精度を向上させました。また、無人機のうち1機が故障したときはシステムが自動的に他の無人機を指揮して任務を継続し完成させるようにします。もともと10時間必要としていた目視検査を4時間にまで短縮、作業時間を60%節約し、航空機のスケジュールをより柔軟なものにしました。
果物を収穫する農繁期は往々にして多くの人手が必要となりますが、人間には休息が必要ですし、毎日の労働時間も限られています。そこで、あるスタートアップ企業がドローンと連携した果物収穫という構想を打ち出しました。イスラエルのスタートアップ企業であるTevel Aerobotics Technologies社はドローンと自動農業機械を組み合わせ、AI技術を駆使して果物の状況を識別した後、無人機を使って収穫します。現在のところ、すでに林檎、プラムや梨などの収穫に応用することができます。
ドローンに RTK(Real-Time Kinematic)を取り付け、さらに風力発電機のブレードにマークを付ける必要がありますが(ドローンがブレードとドローンの相対位置を識別するのに便利です)、風力発電機を動かした状態で高解像度撮影機と赤外線感知器を使ってサーモグラフィーを運用、ブレードの内部0.5インチのところにある損壊を探知します。風力発電会社は先にドローンで損傷個所の位置を確認、発電機を止めて検査する必要があるかどうかを評価し、その必要があるときは担当者がブレードに登り、隠れている損壊や傷跡を見つけて修復します。
無人機の連携アプリケーションでは各種の無人交通手段が持つ機能と長所を組み合わせ、さらに多様なサービスソリューションを提供することができます。連携技術とサービスが発展する過程には多くのイノベーションチャンスとチャレンジがあります。そのなかで、ハードウェアの開発面は無人車、無人船あるいは水中の無人交通手段の分野にまで拡大、一歩進んで台湾の関連サプライチェーンを構築することもできます。ソフトウェア面では、複数機の制御システムインターフェイス、無人交通手段制御技術、AIの応用技術と情報セキュリティ管理などがあります。台湾の企業には連携アプリケーションの重要技術の開発と特許の申請に向けての布石を加速させ、無人機産業の次のビジネスチャンスで有利な位置を占められるようにアドバイスしたいと思います。
資料來源: 財団法人金属工業研究発展センター 金属情報網・世界材料網
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