2025-02-06
台湾養殖ハタの一種、龍虎ハタが日本輸出を開始した。今後スーパーマーケットで切り身や加工品を購入でき、レストランで料理が味わえるようになる。(農業部ニュースサイトより)
農業部(日本の農林水産省に相当)の陳駿季部長(大臣)は5日、台湾南部・屏東県において「台湾産養殖ハタ『龍虎ハタ』の対日初輸出記者会見」を執り行った。今回輸出されたものは、福岡県を基盤とする西日本鉄道(西鉄)が購入したもので、同社の豪華レストラン列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」、ホテル、スーパーマーケットなどで、切り身や加工品、調理品として販売される。福岡県以外の九州地方のほか、京都、北海道・札幌などでも龍虎ハタを味わえるようになるとみられる。
陳駿季部長によると、龍虎ハタはかつて自然毒「シガトキシン」に対する懸念から日本側が輸入を認めていなかった。農業部は8年の歳月をかけて、複数にわたる台日経済貿易会議を通じて、科学的研究と実験証拠を提示してきた。同時に、安全管理メカニズムを確立、龍虎ハタが安全で信頼できることを証明し、日本の厚生労働省が昨年10月30日、輸入を認めると発表した。苦難の末に勝ち取った成果と言える。
陳部長はまた、龍虎ハタの輸出成功は官民学共同の努力の賜物で、養殖業者、加工メーカー、貿易商社、輸出商社、中央政府と地方自治体の緊密な連携による成果だと強調した。これは、台湾産水産物の輸出機会をさらに増やすだけでなく、台湾産水産物を国際市場にアピールするために、台湾の各業界が協力してきた成果を象徴するものでもある。
記者会見に出席した屏東県の周春米県長(県知事)はあいさつで、「屏東県は台湾最大のハタ養殖地。そのうち龍虎ハタの養殖面積は約268ヘクタール(台湾全体の34%)、年間生産量は7,206トン(同55%)、年間生産額は18億8,800万台湾元(約88億日本円)(同60%)に上る。今回日本に輸出された龍虎ハタの第一陣は、2024年に「屏東金賞水産物」に選ばれた屏東県の養殖業者が生産した龍虎ハタ。官民学の専門家による厳格な審査を経て選ばれた屏東の水産物トップを誇る一級品だ。今回の龍虎ハタの輸出は、2023年8月に屏東県産のアオハタが日本の寿司チェーン店に採用されたことに次ぐ重要なマイルストーンになる」と語った。
屏東県の養殖業者、栗煬国際の謝妮諺董事長(会長)は昨年、龍虎ハタの日本輸出が認められたという朗報を受けて、まずは西鉄へのプロモーションを開始したという。台湾西鉄国際物流の野見山健二董事長は、「龍虎ハタは今後、九州地方のにしてつストアをはじめ、福岡、京都、札幌などで提供される予定だ。また、西鉄福岡(天神)駅〜大牟田間を運行するレストラン列車『THE RAIL KITCHEN CHIKUGO』において、ミシュラン1つ星のフレンチシェフが腕を振るう料理で龍虎ハタが味わえる。今後さらに、西鉄を通じた販路へ龍虎ハタが参入できるよう期待している」と説明した。
資料來源: 農業部