2025-06-25
中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)は経済部国際貿易署の委託を受け、マレーシアの首都クアラルンプールに「台湾大健康展示センター」(台湾ヘルス&ウェルネス・ハブ)を開設した。台湾企業によるASEANヘルスケア市場の開拓を支援する。(TAITRA)
台湾のヘルスケア産業の国際認知度向上を目指し、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)は経済部国際貿易署の委託を受け、マレーシアの首都クアラルンプールに「台湾大健康展示センター」(台湾ヘルス&ウェルネス・ハブ)を開設した。台湾製ヘルスケア製品の常設展示、ASEAN(東南アジア諸国連合)ヘルスケア市場の分析、バイヤーの開拓などを組み合わせたワンストップサービスを提供し、台湾企業によるASEAN市場開拓を支援する。宏碁(エイサー)グループ傘下の子会社で予防医学を中核とする宏碁智医(Acer Medical)、台湾の台塑石化と日本の日機装の合弁会社である福機装(NKFG)、安耐視科技(AnesTek Corp.)などが早速自社の製品を展示している。
台湾ヘルス&ウェルネス・ハブの開所式に出席したTAITRAの王熙蒙秘書長は、マレーシアには大きな規模を誇る華人市場があり、台湾との結びつきも深いと指摘。台湾とマレーシアは長年にわたり緊密な貿易と相互投資の関係を維持しており、文化交流や地域の発展においても密接に協力していることから、同ハブの開設により、台湾とマレーシアの企業連携がさらに促進され、ひいてはASEANやその他の第三国市場への共同進出も期待できると述べた。
TAITRAによると、同ハブの開設は、経済部が掲げる「境外関内」政策(台湾の供給を拡大するため、台湾企業の海外投資を支援すること)の一環として行われるもので、AI、医療テクノロジー、人材資源を統合し、台湾を信頼できるグローバル・ヘルスケア・パートナーとすることを目指す。常設展示を行う製品には宏碁智医(Acer Medical)のVeriSee DR(糖尿病性網膜症のAI支援診断システム)や、福機装(NKFG)の深紫外線LED(UVC LED)技術(自社開発した除菌チップを組み合わせることで新型コロナウイルスの抑制に効果を発揮)、安耐視科技(AnesTek Corp.)のビデオ喉頭鏡(リアルタイムで高解像度の画像を提供し、気管挿管や救急対応の安全性を向上させる)、中国医薬大学附設医院のVR針灸教育システム(バーチャルリアリティと漢方教育の融合)などがあり、台湾のヘルスケア産業の多様な技術とインテグレーション能力を全面的にアピールする。
台北駐マレーシア経済文化弁事処経済組の章遠智組長は、マレーシアでは国民の健康意識が高まっており、メディカルツーリズムに強いほか、政府の政策による支援もあるとして、台湾にとって同ハブがASEAN市場開拓の重要な拠点になるだろうと期待を寄せた。また、マレーシアは医療機器の95%を輸入に依存しており、台湾との補完性が非常に高いと指摘した。
資料來源: 中華民国対外貿易発展協会