2025-11-18
行政院長の卓栄泰院長(首相)は17日、台湾と日本の工学分野の専門家らが一堂に会する第35回「台日工程技術研討会」(台日工学技術シンポジウム)の開幕式に出席した。卓院長は、台湾と日本の「強者同士の連携」による世界への進出に期待を寄せた。(行政院)
行政院の卓栄泰院長(首相)は17日、台湾と日本の工学分野の専門家らが一堂に会する第35回「台日工程技術研討会」(台日工学技術シンポジウム)の開幕式に出席した。このシンポジウムは、 台湾の「中国工程師学会」が主催、「中国工程師学会日本分会」(台湾科学技術協会)が共催、台湾中油股份有限公司が実施するもの。今年も16日から21日まで日本から約60名の専門家(技術者・研究者)を台湾に招き、講演やシンポジウムのほか、表敬訪問・参観・視察などを行う。
17日に行われた開幕式に出席した卓院長は、台湾と日本は地理的に近いだけでなく、感情レベルではさらに緊密だと強調。その一つの例として花蓮県の馬太鞍渓の上流に形成されたせき止め湖に言及し、人員や車両が到達できないような山間部にあり、溢れた水量の把握も難しい中、日本から贈られた先進機器(水位観測ブイ)によって水位状況を迅速に把握できるようになったことで、下流にある光復郷の住民の安全を守り、50万人以上のボランティアの努力を無駄にせずに済んだと説明。「この場を借りて、日本に最大限の謝意を伝えたい」と述べた。
卓院長はまた、新型コロナウイルスのパンデミックにも言及。台湾で感染拡大が爆発的に広がったとき、日本が率先して大量のワクチンを無償供与してくれたこと、「あのときの、関心を寄せられている、重視されているという気持ちは、いまでも深く心に残っている」と語った。さらに、台湾の前駐日代表(大使に相当)である謝長廷氏がこのほど日本政府から「旭日大綬章」を授与され、高市早苗首相から直接証書を授与されたことについては、「台湾にとって大きな栄誉であり、謝長廷氏が長年取り組んできた台日交流促進への努力を日本が重視してくれたことに感謝する」と伝えた。
卓院長はまた、高市早苗首相が今年のAPEC(アジア太平洋経済協力)会議で台湾代表の林信義氏と直接会談し、しかもそのメッセージを自ら国際社会へ発信したことについても、「台日関係がこれまで以上に緊密になっていることを改めて示すもの」として感謝した。
卓院長はさらに、台湾と日本はこれまでもインドネシアのジャカルタメトロやフィリピンの南北通勤鉄道など、海外で協力して成功した事例が多数あると指摘。今後、産業の補完性や工学分野での学習の経験を活かし、両国が力を合わせれば海外協力でより多くの機会を獲得できる可能性があるはずだと述べ、こうした「強者同士の連携」で世界に進出することこそが、これからの「トランプ関税後」の新たな貿易秩序の中で、台日双方が緊密に結びつくための重要な指標になるだろうと述べた。
今年のシンポジウムは20の分科会が設けられ、50項目の議題が議論される。
資料來源: 行政院