2019-08-19
行政院(=内閣)の陳其邁副院長(=副首相)は17日、台湾人工智慧学校(台湾AIアカデミー)が主催する「南部智慧医療専班(=南部スマート医療専修班)」(台湾南部・高雄市)の開講式に出席した。陳其邁副院長は「台湾には優れた人材、技術、データがある。これはスマート医療分野を発展させるための最強の条件だ」と指摘し、各大学の医学資源を集結させることで、台湾南部がスマート医療の研究拠点となるよう期待を寄せた。また、受講者に対しては「分野を越えた学習で、医療の質向上を目指して欲しい」と激励した。
陳其邁副院長は、「台湾は非常に良い医療データを持ち、医療の質も高い。これは医療分野へのAI(人工知能)導入にとって大きなポイントとなる。データは、これからのデジタル時代における宝物だ。台湾がこれまで蓄積してきた大量の医療データを運用し、より大きなスマート医療のデータベースを構築し、幅広い分野でこれを応用していくことは非常に重要な工程になる。スマート医療の応用分野で台湾は世界一になれる可能性を秘めているが、診断から臨床、それにケアシステムに至るまでのAIの十分な応用実現までにはまだ時間がかかる」と述べた。
行政院は現在、「台湾AIアクションプラン」を策定している。このアクションプランはいくつかの重要な措置が含まれている。その最初となるのがクラウドコンピューティングを使ったプラットフォーム作りであり、例えばスーパーコンピュータ「台湾杉一号(TAIWANIA1)」と「台湾杉二号(TAIWANIA2)」の商用運転、省庁あるいは大手研究機関によるデータの開放、及び関連プログラムやソフトウエアの提供等が含まれる。しかし、クラウドサービスのプラットフォームにはその限界があることから、行政院が策定した「半導体射月計画(セミコンダクター・ムーンショットプロジェクト)」ではエッジAI向けの半導体、つまりCPU半導体関連の設計、製造、パッケージング・テストを強化する方向性が示されている。台湾はこれらの分野ですでに高い実力を持つことから、陳其邁副院長は「台湾は世界一になる能力を持っていると信じている」と強調した。
台湾人工智慧学校(台湾AIアカデミー)の「智慧医療専班」は医療従事者を対象に開設した集中講座。システム化された座学と実際の操作を通し、医療従事者が速やかに最新のAI技術について把握すると共に、AIの運用方法やその能力、限界、今後の発展性などについて徹底的に理解し、且つ実際の医療に応用できるようにすることを目指している。
資料來源: 行政院