2021-02-05
台湾の半導体設備の生産高は2012年以降、8年連続でプラス成長が続いている。2020年1~11月の生産高はすでに594億台湾元(約2,240億日本円)に達し、対昨年同期比9.5%の増加となっている。2020年通年の生産高は650億台湾元(約2,451億日本円)を超える見込みで、これにより台湾の半導体設備の生産高は9年連続で過去最高を記録することになる。5G(第5世代移動通信システム)、モノのインターネット(IoT)、高性能計算(HPC)などの新興技術の応用が急速に進み、半導体大手が積極的に生産能力の拡充を進めていること、政府が積極的に国内の半導体設備及びその部品産業の高度化を促進していること、企業がサプライチェーンのローカライズを進めた結果、海外の大手企業の対台湾投資が増えたことなどが要因と考えられる。
台湾の半導体設備に、製造装置とテスト装置の大きく2つの分野に分けることができる。その大きな部分を占めるのが製造装置とその部品だ。近年、製造装置メーカーは積極的に研究・開発を進め、台湾の大手企業からの受注に成功している。これが台湾の半導体設備の生産高の成長に大きく貢献している。2020年1~11月の生産高は対前年同期比15.0%の増加となった。一方、テスト装備及びその部品は内需と輸出の占める比重が半々となっている。台湾の半導体メーカーが生産能力の拡充を進めるに伴い、テスト装備のニーズが増えたことから、2020年1~11月は内需向けの生産高が対前年同期比11.0%増加し、内需の比重が全体の6割を突破した。
海関進出口統計(=税関輸出入統計)によると、2020年の台湾の半導体設備の輸出額は15億米ドルだった。最大の輸出相手は中国(全体の44.0%)で、輸出額は約7億米ドル、対前年比3.7%の増加となった。次いでシンガポール(18.0%)、米国(14.4%)、マレーシア(6.9%)の順だった。
一方、2020年の台湾の半導体設備の輸入額は230億米ドルだった。最大の輸入相手は日本(全体の23.7%)の55億米ドルで、次いで米国(22.2%)、オランダ(21.7%)の順だった。
台湾は世界で最も完成度の高い半導体産業のクラスターを持ち、分業化も進んでいる。しかし、半導体の生産設備と半導体材料の多くはいまだに海外からの輸入に依存している。半導体産業のサプライチェーンの自給率を高めるため、台湾の政府は、台湾を「半導体先進製程中心(=半導体の先端プロセス製造センター)」とすることを目指している。半導体設備や半導体材料の海外大手を台湾に誘致すると同時に、台湾の業者の研究・開発や技術レベルを高めることで、サプライチェーンの自主化と国産化を促進し、台湾の産業の国際競争力を強化したいと考えている。
Sources:Taiwan Today;2021年02月05日
資料來源: 経済部統計処
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