2021-04-07
台湾の液晶パネル製造及び組み立て産業の生産額は、2010年から2014年の5年間、1兆1,000億台湾元(約4兆2,400億日本円)以上を維持していた。その勢いに陰りが見えたのは、中国政府によるサプライチェーンの現地化によって確立された「レッドサプライチェーン」の出現による。レッドサプライチェーンの勢力拡大によって、パネル産業は供給過剰の状態に陥り、その影響から台湾では2018年、2019年のパネル生産額がマイナス成長に落ち込んだ。
2020年の台湾のパネル生産額は、過去2年間のマイナス成長にピリオドを打ち、プラスに転じた。2020年は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから未曾有の経済停滞にさらされ、上半期のパネル生産額は落ち込んだが、新型コロナ感染予防のために導入されたテレワーク、リモート授業・レッスンなどによる需要の高まりから、ITパネル生産が増加した。さらに、コロナ禍で「おうち時間」が増えたことによる経済効果も加わり、下半期のパネル生産額は前年同期比11.2%増となった。下半期としては、2013年以来最高の伸び率。2020年通年のパネル生産額は0.3%増となり、過去2年続いたマイナス成長に終わりを告げた。
2020年のパネル生産額の成長の主な要因は、大型パネルによるところが大きい。主要製品別でみると、2020年下半期の10インチ以上の大型パネル生産額は25.5%増で、通年の生産額は前年比4.6%増の4,242億台湾元(約1兆6,400億日本円)となり、パネル産業の成長に大きく貢献した。
2020年の輸出成長率について、台湾は前年比5.3%で、中国大陸、韓国、日本より高く、唯一のプラス成長となった。なお、中国大陸は同マイナス4.7%、韓国は同マイナス5.6%、日本は同マイナス6.2%だった。
また輸出額については、近年トップを占めている中国に次いで台湾が2位だった。台湾は、一部のメーカーがハイエンド製品の生産能力を拡大していることに加え、韓国企業の液晶パネル事業撤退が相次いだことから、韓国を抜いて2位となった。
Sources:Taiwan Today;2021年04月07日
資料來源: 経済部