2022-11-08
台湾初の国産気象衛星「猟風者」(以下、「TRITON」)が来年3月10日の打ち上げを予定しているのを受け、蘇貞昌行政院長(=首相)が7日、国家実験研究院国家太空中心(NSPO 以下、「国家宇宙センター」)を視察、台湾にはロケットや人工衛星を自前で製造する力があるとして、宇宙で一定の存在感を示す日が早期にやって来ることに期待した。
蘇行政院長はこの日、行政院(内閣)の李孟諺秘書長(内閣官房長官に相当)、国家科学及び技術委員会(日本の省レベル)の呉誠忠主任委員(=大臣)と共に新竹サイエンスパークにある国家宇宙センターを視察し、「TRITON」の整備状況を確認した。
蘇行政院長は、1962年9月に米国のケネディ大統領(当時)が反対者を説得するためにテキサス州のライス大学で行った米国の宇宙計画に関する演説で、同計画に取り組むのは簡単だからではなく、むしろ難しいからで、そういう目標の下でこそ米国で最高レベルの技術と能力を一つに集められると話したことに言及、そのおかげで7年後にアポロ11号の月面着陸が実現したのだと説明した。
蘇行政院長は、現在ロケットの打ち上げ能力を備えているのは世界で9カ国で台湾はまだ入っていないが、台湾にはロケットや人工衛星の製造に関連する能力があり、台湾の半導体や情報通信技術、精密機械はトップレベルだと強調、ロケットの打ち上げ技術などで後発の台湾が追い付いていくにはせめて世界と歩調をそろえなければならず、そのために国の最高レベルの力と技術を結集させると述べた。そして今回の行政院長としての任期中に(蘇貞昌氏が行政院長を務めるのは二度目)、第三期宇宙計画の決定、「太空発展法」(宇宙開発法)の制定、行政法人としての「国家太空中心」の設立(現在はまだ国家実験研究院に属している)などを行ってきたことについて、「台湾のトップレベルの力と共に国のために宇宙産業で共に尽力できたことをうれしく思う」と述べた。
そして蘇行政院長は、早く宇宙から台湾を守れるようにし、宇宙でも台湾が一定の存在感を示せるよう、政府は全力を尽くし、みなで取り組み、よりよい結果を残すと意気込んだ。
国家宇宙センターの呉宗信主任によると、「TRITON」は台湾初の国産気象衛星でその任務は海面上の観測データの提供。また10項目に及ぶ基幹部品と技術の検証も兼ねる。衛星の82%が台湾で開発、製造されている。国家宇宙センターでは、今後も国立成功大学(台湾南部・台南市)、国立中央大学(同北部・桃園市)、工業技術研究院(ITRI)及び20を超える民間企業と共に宇宙科学の進歩を推し進めていくとしている。
「TRITON」は来年3月10日にフランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられる予定。同衛星は打ち上げられたのち、台湾が自主設計・製造した10項目の基幹部品と技術の宇宙環境におけるテストと検証を実施する。これらは台湾が世界の宇宙産業におけるサプライチェーンに加わるのを助け、台湾の宇宙産業にマイルストーンを記すことにつながるということ。
Sources:Taiwan Today;2022年11月08日
資料來源: 国家科学及び技術委員会
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