2018-08-22
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)台南区農業改良場(台湾南部・台南市)は21日、コメの新品種「台南秈18号」と米粉4種類を発表した。
農業委員会の統計によると、台湾住民のコメ消費量は2016年、1人当たり年間44.5㎏だった。これは2007年の同47.5㎏より3㎏減っている。台南区農業改良場は、コメの消費量を増やすため、9年前から新品種の開発に取り組んできた。ビーフン、碗粿(台南名物で、白米をすりつぶしたものに具材を入れて蒸した食べもの)、ダイコン餅といった台湾の食べ物には通常、在来種のコメ(インディカ米)が使用される。現在、こうした食べ物の原料として最もよく使われているのが「台中秈17号」と「台農秈14号」と名付けられた品種だ。
そのうち「台中秈17号」の収穫量が最も多く、1ヘクタール当たり約6,000㎏に達する。しかし、粘り気が強いため、1年以上の古米でなければ加工に向かない。このため、加工すると鮮度や風味が落ちるという欠点があった。
「台農秈14号」は2~3か月すれば粘り気が減り、良好な鮮度を保つことができる。しかし、1ヘクタール当たりの収穫量が4,800~5,000㎏とやや少ないのが欠点だった。
台南区農業改良場では2009年から交雑育種を始め、2018年6月にようやく新品種「台南秈18号」の開発に成功した。これは「台中秈17号」と「台農秈14号」の長所を合わせ持つもので、2~4か月ほどで粘り気が減り、ビーフン、碗粿、ダイコン餅などに加工しても、コメの鮮度が失われない。しかも、1ヘクタール当たりの収穫量は6,000㎏に達する。
このほか台南区農業改良場は今回、コメを原料とする米粉を、消費者に広く受け入れられているパン作りに役立ててもらおうと、4つの農会(=農協)と協力して生産した専属ブランドの米粉4種類を発表した。原料に使っているのは雲林県農会が「台南11号」、西螺農会が「黄金米」、池上農会が「台稉2号」、草屯農会が「台稉9号」となっている。台南区農業改良場が2011年よりこれら4つの農会に技術を移転して生産を開始。現在、年間生産量は合計4~8トンに達している。購入を希望する消費者やベーカリー業者は、各農会から直接購入することができる。
Sources:Taiwan Today;2018年08月22日
資料來源: 科技部
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