2023-12-12
蔡英文総統(右から5人目)は11日、日本台湾交流協会の大橋光夫会長(右から4人目)、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(=駐台大使に相当、写真中央)の表敬訪問を受けた。総統官邸「永和寓所」にて。(総統府)
蔡英文総統は11日午前、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(=駐台大使に相当)の表敬訪問を総統府で受けた。また、午後には総統官邸で日本台湾交流協会の大橋光夫会長の表敬訪問を受けた。公益財団法人日本台湾交流協会は日本の対台湾窓口機関で、東京本部と台北事務所、高雄事務所から成り立つ。台北事務所は実質的に日本大使館の、高雄事務所は日本総領事館の役割を果たす。
片山代表と会談した蔡英文総統は、自由と民主主義は台湾と日本が共有する価値であり、インド太平洋地域の平和と安定を守ることもまた、双方が共同で担う使命であると指摘した。蔡総統はまた、日本政府が台湾海峡の平和に対して揺るぎない支持の姿勢を示していることに感謝し、日本と経済・貿易分野で連携を強化することで、ともにインド太平洋地域の繁栄と発展のために貢献していきたいと期待を寄せた。蔡総統はまた、「これから分野や世代を超えた交流を促進し、双方の友情を深めて台日友好関係の新たな章を切り開いていきたい」と意欲を示した。
これに対して片山代表は、外務省に勤務して40年余り、米国、中国、ベルギー、マレーシアでの勤務を経て、最後はペルーで大使を務めた自身の経歴を語った上で、「世界で最も日本に友好的で、日本との関係が緊密な台湾で代表を務めることができて大変光栄に思う」と述べた。また、旅行や出張で過去に5回台湾を訪れたことや、最後に台湾を訪れたのは17年前の2006年のことで、台湾の変化の大きさに驚いたことなどを明かした。片山代表はまた、これから台湾人と日本人が相互理解を深められるよう取り組み、引き続き経済、文化、学術、人的交流など各方面の交流を促進していくことを約束した。
蔡総統は同日午後、日本台湾交流協会の大橋光夫会長の表敬訪問を総統官邸で受けた。この訪問には片山代表も同行した。
蔡総統はこの会談で、昨年台湾と日本の貿易総額と日本の対台湾投資額が過去最高を更新したことに言及。このことから双方の政府から民間に至るまでの交流が、ますます緊密になっていることが伺えると述べた。蔡総統はまた、台湾が環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟することは台日関係の増進に有利であり、地域経済にも最大のシナジーと利益をもたらすと強調。日本はTPPでリーダーシップを発揮する重要な加盟国であるとし、その日本から引き続き支持と協力が得られるよう期待を寄せると同時に、「台湾と日本が連携すれば、世界により多くの貢献ができる」と述べた。
これに対して大橋会長は、日本は一貫して台湾のTPP加盟を支持すると表明しているが、TPP加盟の可否は加盟国のコンセンサスによって決められるものであるため、もうしばらく時間がかかるものの、近い将来、台湾がTPPに加盟できるよう期待していると述べた。
なお、大橋会長は台日経済貿易会議と第三国市場協力委員会に出席するため、台湾を訪問した。
資料來源: 外交部